【3.無職者の休業損害|交通事故の消極損害】

弁護士に頼めばチャンスあり

このページでは、無職者の休業損害について説明します。

 

自賠責基準では無職者の休業損害は認められず、任意保険会社も認めないのが基本姿勢です。

 

しかし、弁護士基準では違います。

 

失業者していても、労働能力と労働意欲があれば、事故がなければ就職できていたはずだとして請求します。

 

事故による学生・生徒の就職遅れの休業損害も請求できます。

 

どこまで認められるかはケースバイケースですが、弁護士の力を借りれば、無職でも休業損害を賠償してもらえるチャンスはあるのです。

 

この損害費目に関する注意点をまとめました。

 

事例は主に「赤本(※)」から抜粋しているので、正確な情報が必要な場合は原本を参照してください。

 

※「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」 弁護士が賠償請求額を決める時に使うバイブル

 

1.無職者

労働能力および労働意欲がある場合は、前職の収入や賃金センサス(厚労省による賃金統計資料)のデータを基礎に算出します。

 

労働意欲があるかどうかは、ハローワークに通うなどの求職活動をしていたかが判断材料になります。

 

ただ、認められる場合も、一般的に平均賃金を下回るレベルに落ち着くことが多いようです。

 

  • 2度目の事故に遭った女性。前回の事故の後遺症は就労可能なレベルに回復していたので、労働能力ありと判断された。就職活動をしていた矢先に2度目の事故に遭ったので、事故がなければ就職できていた可能性が高いとして、賃セの8割で休業損害が認められた例。
  • 定年退職後、雇用保険受給中の被害者。受給期間が終われば、元の会社に再雇用される可能性があったとして、休業損害が認められた例。
  • 米国でMBAを取得し、年俸1500万円とストックオプション付与の内諾を得ていた被害者。その金額を基礎に認められた例。
  • 運送業を廃業後、事故前に具体的な就職話もあった男性。ドライバーに就職していた可能性が認められた。

 

2.学生・生徒

学生・生徒は、原則的に休業損害は認められませんが、事故前に実際に収入があった場合は認められます。

 

また、就職遅れによる損害は認められます。

 

内定を受けていた場合などは特にそうです。

 

  • 事故のために就職活動ができず、1年遅れた短大生に賃セ適用が認められた例。
  • 大学入学が事故のために1年遅れた浪人生に、賃セで1年分の休業損害が認められた例。
  • 専門学校生。アルバイト収入があったことから、賃セで休業損害が認められた例。